出産のために産休を取得した場合、その期間中は社会保険料(健康保険・厚生年金保険料)が免除されるというお得な制度があります。
そこで今回は、産休中の社会保険料の免除について、免除される期間や申請方法などをまとめてみました。
免除される税金、社会保険料
育休中は、以下の税金、社会保険料が免除されます。
- 所得税
- 健康保険料
- 厚生年金保険料
- 雇用保険料
所得税の免除
所得税は、国に収める「国税」です。当年度の収入に応じて支払います。
所得税は企業からの給与額に応じて支払います。産休、育休中は給与の支払いがない「無給」状態です。そのため、所得税は発生しません。
産休、育休中に給付される出産手当金や育児休業給付金は所得税の支払い対象外です。
また、課税対象(翌年の所得税率を計算するための収入額)にも含まれないので、翌年の所得税を低く抑えることもできます。
社会保険料、厚生年金保険料の免除
産休、育休中は社会保険料と厚生年金保険料の支払いが免除されます。
雇用保険料の免除
雇用保険料も所得税と同様に「無給」である場合は支払いが免除されます。
産休、育休中は支払い免除です。
免除されないもの
住民税
住民税は住んでいる地方自治体に収める「地方税」です。住民税は、昨年度の収入に応じて支払います。
住民税は昨年の収入に課税されるものなので、産休、育休中にも支払いが必要です。
支払い方法には、いくつかの種類があります。勤務時と同様に、会社に支払いを代行してもらう「特別徴収」を継続するか、自分で直接各自治体へ支払いする「普通徴収」に切り替えを行います。
いつから免除になる?
産休・育休ともに休業の「開始月」から「終了前月」までが社会保険料免除となります。
例えば子供が1歳になるまで産休・育休を取得すると、だいたい1年3カ月間の社会保険料が免除されることとなります。
日割り計算は行いません。
この日割り計算が行われないという点がややこしいのですが、基本的に社会保険料は末日の状態で判断されます。
月中から産休入り→末日は産休中なので免除
月中に復帰する→末日は働いてるので引かれる
会社によって社保控除のタイミングが当月か翌月か違いがあるため、不明なら会社へ問合せるといいです。
なお産育休中は社保免除に加え、育休給付金は所得税もかかりません。(住民税だけはかかる)
育休延長で給付金を貰い続けた方が時短復帰より手元に残るお金が多かったりもするので、復帰のタイミングはよく考えた方がいいです。
また、社保はその月に一日でも復帰するとひと月分かかる(日割という概念がない)ため、復帰日は慣らし保育との兼ね合いも考えつつ慎重に決めましょう。
免除開始月→育児休業を開始した月の分から
免除終了月→育児休業終了月の”前月分”まで
育休期間が5月20日から翌年3月20日までの時、免除期間は5月分から2月分までです。
※育児休業の最終日が月の末日の場合
免除開始月→育児休業を開始した月の分から
免除終了月→育児休業終了月の分まで
育休期間が5月20日から翌年3月31日までの時、免除期間は5月分から3月分になります。
ボーナス支給月が被ればもちろんボーナス分も免除されますよ
受取年金が減額されることは?
厚生年金については、産休・育休期間中に社会保険料を免除されていても納付記録としては残りますので、受取年金が減額されることはありません。また、免除期間中も被保険者資格に変更はありません。
免除となるための申請は?
免除となるためには申請手続きが必要となります。産前休業を開始したら自動的に免除になるわけではないので注意してください。
申請書の提出は事業主を通して行われ、被保険者とともに事業主側も社会保険料は免除となります。
事業主は、産前産後の休業期間中に対象者の「産前産後休業取得者申出書」を健康保険組合と日本年金機構(事業所の所在地を管轄する年金事務所)へ提出します。
事業主が行うことなので、会社に産休の取得を申し出れば、手続きを会社がしてくれます。
まとめ
産休・育休中は社会保険料が免除されます。
基本的に事業主が申請することになっているため、産休開始直後のお給料明細などで確認してみるといいです。
産休や育休の開始日は自分で選べないですが、育休復帰時は社会保険料が日割り計算されないことなども頭に入れつつ復帰の時期を検討するといいかもしれませんね。
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